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2. 日本を行く


今回の一人旅は日本。東京タワーのふもとから、船で東京都・新島へ。突然思い立ったため、宿は空いてなくキャンセル待ち。



とりあえず、この船で新島へ。東京都から10時間。同じ東京都へと向かう。



船のデッキには、水しぶきを浴びながら眠れない夜を過ごす、野宿高校・夜間部の面々が。



野外の通路で朝を待つクフ王。他の追随を許さないその熟睡ぶりに、野宿業界では早くも殿堂入りの声がささやかれている。



船内に入ると、自動販売機には充実のラインナップが。さりげなくビーフジャーキーだけ、消費税でも何でもない「10円」を取りに来ている。



暗闇のなか、つまみを補充するダークナイト。一見ベテランにも見えるが、補充界の中ではまだまだ若手に位置するという。



ダークナイトに頼んで、販売機の中を見せてもらった。システムに管理される、つまみたちの人生を肌で感じる俺。



もちろん、販売機コーナーには揚げ物系の食べ物も多い。



しかし、顧客は数秒を争うエリートばかり。当然、秒単位で調理場の動きがつかめる配慮がなされていた。



船内の注意書き。救命胴衣だけあって、シリアス感を前面に出している。しかし、死を決意したイラストの絵が本気すぎて、さりげなく旅行気分を失っていく俺。



荷物置き場では、必要以上の個性で名前を書いてしまったメグロ氏を発見。持ち前の明るさが裏目に出た瞬間だ。



ロビーでは「寄り目」で笑いを取りにいったが、誰も見てなかったという驚愕のシチュエーションを迎えたヨリーラモの姿が。これにめげず、ぜひ再挑戦して欲しい。



ワンカップと共に夢の世界へと旅立った乱丸。隣の席が空いてるように見えないのは、ベテランだけが成せる技なのかもしれない。



朝方、隣にいたオッサンの加齢臭で目を覚ます。いわゆる朝カレーだ。



そして朝8時、新島に到着。この壊滅的なムードながらも、ここは東京都であると言い張っているという。



とりあえず、バイクを借りるため、適当に海沿いへと向かう。



すると、吉野家カラーで顧客の潜在意識を刺激する、見事な営業戦略を採用したレンタル屋に遭遇。皆、思わず玉子付きでバイクを借りてしまうという。



さっそく、原付を借りて島の隅々を散策。ちなみに、島にある信号は2つだけ。



それでも、



ここは東京都、と言い張る新島君。認められるまで頑張って欲しい。



お昼は、この島でしか味わえないという「島寿司」を食べる。しかも2000円。味は悲しいぐらい普通。



食後、町を散歩していると「ブルーアイランド」という店が。しかし、デザインを頑張りすぎて「ブハーアイランド」になっている。何事も、やりすぎは禁物だ。



ハガキの収集時間は「9時48分ごろ」と「16時18分ごろ」。細かい時間を宣言しているわりには「ごろ」と弱気な郵便局。無理せず、どちらもキリのいい数字にしたらいいと思う。



島の先端を目指し、全長300メートルのトンネルを原付で行く。いつまでたっても、なかなか出口が来ない繰り返し感は、自分の人生と限りなくダブっている。



津波の注意書はポップな葛飾北斎の浮世絵を採用。危機感ゼロの島国グルーブが、ささやかに炸裂していた。



その海辺で1時間、ヴィックスヴェポラップを塗られた子供のようにスヤスヤと寝てしまう。



島を歩いていると、ものすごい低いENEOSの看板を発見。おばちゃん曰く「高いと倒れたら危ないしねえ」 ここにまたひとつ名言が生まれた。



何屋か分かれば、店の名前なんて必要ない。そのクールさに賛同した島中のアル中が、ウンコに群がる銀バエのごとく毎晩のように集結する。



まだ夜8時だというのに、人の気配ゼロの八つ墓村。通りの向こうから、気の狂った北大路欣也がフルメイクでダッシュしてくる可能性を否定できない。



海沿いを散歩していると、日中、宿泊を断られた宿から連絡が。突如キャンセルが発生し、泊まれることに。NO野宿(当確)がここで決定。



夜22時までやってる島の居酒屋は3軒。店の人の薦めで、明日は「式根島」という島へ行くことに。



翌朝10時、船で式根島へ移動。



島に到着。式根島は全周12キロの小島。山道を歩き、



海岸へ。



5月なので人もまばら。しかし太陽は7月級。昼過ぎまで、ボーっとする。午後は海沿いで沸いている天然温泉へと向かう。



しかしその天然温泉はシチュエーション上、公開全裸になってしまう沿道の露天風呂だった。さすがに野外公演をできない俺。



「もえな いごみ」さんです。というか、よく見ると「カン ビン ペット」と書いてある。「ペットボトル」と書かないと、バカが飼い猫を捨てる気がしてならない。



新島への船を待つ間、ブサイクな顔の漁船を発見。薄目でこちらをじっと見ている。



そして、再び船で新島へ戻る。当てもなく散歩していると、村の奥に公民館を発見。



中に入ると、気になる張り紙が。「サイバーホイール」?



出た!これがサイバーホイールだ!



サイバーしすぎて、自分を見失うサイバーたち。サイバー道は険しい。



俺もサイバーしようとしたが、壁には残念なお知らせが。



サイバー道をあきらめ、サイケな廊下を奥に進む。



なんと、一番奥にはカラオケルームが。島民みんなで歌うのだろう。快楽至上主義。すごい税金の使い方だ。



廊下に出ると、掲示板にはさまざまな告知が。しかしよく見ると、



名字と名前がこの離れ具合。島民ならではの、計算され尽くしたボケが炸裂している。



村で話し合った末、このシフトになったのだろう。ペットボトルをヴォーカルに迎えた、見事な配置。



ティッシュと消火器とオセロ。体感したことのないカオスが、当然のように炸裂している。



公民館を出る。島の裏道は、わりとジャンクしている。



確かに頑張って重ねてはいるが、辺りには広大な土地がしっかりと余っている。



村の学校はなぜか、



全てが青系のカラーリング。「青空な感じで」という、練りゼロの直感的な発想が採用されている。



微妙な時間までしか停められない駐車場。管理人は9時に帰りたいのだろう。



何が言いたいのか良くわからないが、ハッスルして欲しい気持ちは充分伝わる、島民から世界へのメッセージ。この気持ちをキープして欲しい。



「新島、お前もか…」海沿いには、強引にギリシャ神殿を再現した露天風呂が。突然売れ線に走った新島君の行動に、往年のファンは涙で枕を濡らしたという。



夜は「明日葉の天ぷら」を食べる。これと島の名物「島焼酎」の昇天セットで、誰しもが早朝の草なぎ君にトランスフォーム可能。



どこまで行っても、海と空。「俺には、これしがねえがら…」ジャージの似合う新島君らしい、熱い思いがここに表現されている。



それでも、自分を東京都と言い張る新島君と式根島は、観光地であることを実はちょっと拒否している雰囲気もあって、アナーキーでとってもいい奴だと思う。